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よく聴いた曲 2018年

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音楽の聴き方や聴く環境が目まぐるしく変わっていく中、CDは売れないけれどストリーミングやサブスクリプションによる楽しみ方はどんどん盛り上がっていく。 CDというのは音楽をパッケージするための媒体に過ぎないけれど、そこには色んな手がかかっていて、会社もミュージシャンもこちらの方が利益率が高いため、なんとかして盛り上げ返そうとしているのも理解できる。 でも、一般のリスナーはそんなことは気にしないし、逆にCD=お布施と考えるのも不思議でもないし不健全だとも思わない。手元に残しておきたい物質主義者だったたくさんいるのだから。 かくいう自分もモノが手元にある方が安心するタイプではあるし、本当にいなくなってほしくないミュージシャンだったり、自分が一枚でも買わないとと思えるほど小規模のミュージシャンのものはなるべくCDとして買うようにしたい。 一方、サブスクリプションの恩恵もめちゃくちゃ受けている。 Apple Musicを契約して2年か3年経つが、知らないミュージシャンや歌手なんかにパッとアクセスできてフルで聴けるのはものすごく嬉しい。ただ、外出先だと結構なデータを使うため通信速度規制がかかることもしばしばある。 MDに入れてセカセカとプレイリストを編集していた頃が懐かしく思う。 それはともかく、2018年も色んなものを聴いた。 だけど、2017年後期の流れを汲んで、わりかし古いものをたくさん聴いた。1980〜1990年初期の曲。洋楽邦楽は問わず聴いたものの、日本の曲が多かった気がする。 不思議なのはファッションも懐古的なムーブメントになっていて、年代もリンクすることだ。シンクロニシティというと大げさかもしれないけれど、まだまだ音楽とファッションは密接なのかもしれない。 Cornelius - Audio Architecture 2017年発売だったオリジナルアルバムに続いて、セルプコンピレーション・アルバムとしてリリースされた。 どこかで単発的に発表されていた音源の集まりなので、持っているものもあれば持っていないものもあったが、「21_21 DESIGN SIGHT」で開催された同名の展覧会「Audio Architecture」のためのこの曲は素晴らしかった。 人力エレクトロニカの究極かなあと思うし、歌詞のテイストも過去の

過去3台のiPhoneに使い続けるPOWER SUPPORTのケース

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Apple製品なしでは普通の生活がままならないところまできている。 初めてAppleに触れたのは高校生の頃のデスクトップだった。まだグレーの筐体で、イラストレーターのベジェをワケも分からずグニャグニャと動かしていた程度のものだった。 その後、デザインを学ぶために行った学校でiMacを触ることになり、自分でも買い、iPodに驚き、大人になってしばらくした頃にiPhoneは出た。 そう言えば会社に勤めていた時の上司に「デザインなんて今ではWindowsでもいい」という話を振られた時に「デザインを考える人がWindowsのUIや文字を許せるのが許せない」といったらえらく怒られたことがあった。 ともかくiPhoneは衝撃だった。とはいえ、かねてから噂があり「iPodのホイールが浮き出る」なんて話もあったな。 日本で初めて発売されたのは「3G」モデル。まだスマートフォンという概念自体が日本に根づいておらず、パームやPDAみたいな端末を最先端の人が使っている程度だったはず。 だから最初のモデルは売れたとは言え、僕みたいな末端の人間でもなんとか発売日には手に入れられた(それでも手に入りにくい程度には人気だった)。 そこから2年周期で新作を使い続けることになる。 当時はカバーやフィルムを一切つけていなかったけれど、カメラのレンズが突起するようになってからはどうしても置く時の傾きや傷つきやすさが気になってしまい、装着せざるを得なかった。 「6」の頃、レンズの飛び出しが嫌で初めてカバーを探した。 似たようなカバーだらけで、どれが良いかなんて全然分からない。それでもなんとなくコレが良いなと思ったのが パワーサポート 製の「 Air Jacket 」というものだった。 なるべく付けていない感じを出したい人へ Air Jacket のコンセプトは「最も薄く最も軽く最もフィットするケース」である。外傷から本体を守りながら、まるで付けていないかのような見た目を維持してくれる。 もちろん、裸と比較すると厚みは出るし手触りも変わるが、見た目をほとんど変えることなく、ケースを付けた状態の最もミニマルな状態を維持してくれるのが Air Jacket だ。 安価なケースだと隙間ができたり、屈曲性に乏しく折れてしまったり、虹色のたわみが見えたりということ

JASON MARKKは果たして本当にスニーカーをキレイにするのか

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スニーカーを洗う概念 スニーカーがファッションの市民権を得て久しい。 自分がスニーカーに興味を持ち始めたのは、日本でのスニーカーブームの波が大きく来た頃。エアマックス95の怪物的ヒットがあって、ちょうどその頃からバスケもしないのに「月バス」の後ろの方の通販ページをチェックしたり、BoonやGet On!やSmartなどの雑誌を読み漁ったりして、徐々にファッションそのものに目覚めていった気がする。 スニーカーと付き合ってかなり長くなるが、洗うという概念は全然なかった。そもそもレザーは洗ってはいけないという感覚だったし、目覚めた頃は成長に従ってサイズも変わっていくので、長く付き合うことすらできなかったのだった。 おそらくスニーカーを洗うツールそのものは前から存在していたのだろうけど、最近になって、デザインも機能もプライスも全てのバランスがとれたものがようやく出てきた。それがジェイソンマークだった。 洗い流さないクリーナーの登場 アメリカ発のスニーカー専用洗剤とブラシ。セットもあれば単品もある。スムースレザー用とスエードレザー用でブラシも異なるなど、バリエーションもそこそこあって、大体のスニーカーにはマッチするように用意がある。 個人的に画期的だなと思ったのは、洗剤の落とし方だった。 「洗い流す」ではなく「拭き取る」のだ。 ここから洗い方を説明していく。 季節ごとにスニーカーを洗おう 今回、4足のスニーカーを洗うことにした。 洗うのは… ・NIKE AIR RIFT (白と黒) ・NIKE FREE HYPERVENOM ・adidas TUBULAR DOOM PK いずれも合成繊維でできたアッパーで、堅いブラシには不向きなスニーカー。 中でもNIKE AIR RIFTの白が汚れ的に一番分かりやすいだろうと思うので、それを見ていただきたい。 スニーカーを洗うタイミングは、本当は定期的に行うのが一番良いのだけれど、何足も履き回していると面倒で仕方がないので、大体季節ごと、3ヶ月に1回くらい大掃除的に行うのがおすすめ。 外側と足が直接触れる所が汚れやすい 恥ずかしいけど、しばらく洗っていなかったこともあって、実はだいぶ汚れていた。特に、アッパーは目に見えるので、汚れ

カメラマンにうってつけのタクティカルブーツ hobo×Danner Tachyon6

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街から山まで対応する撮影用の靴を求めて カメラマン業もしている自分にとって靴選びは結構重要。 普段は店や街で撮影することが多いが、それ以外に自然の中で撮ることもある。基本的にスニーカーを履いているので動きやすく疲れにくいのだけど、汚れるのは嫌だし傷つけるのも避けたいので、なんとなく「汚れてもいいや」と諦められるスニーカーで臨んでしまう。 ブーツという選択肢はアリっちゃアリだが、ちょっと大げさすぎるし重いし面倒だしでなかなか食指が動かない。多分、カメラマン業がアウトドアだったり海外がメインになるとそれも良いのかもしれない。でもそこまでではない。 その中間的なものが理想的で、ピンポイントだったのがhoboがDannerに別注した「Tachyon6」だった。 タクティカルブーツのTachyon8をアレンジした名作 ベースとなっているモデルTachyon(タキオン)はDannerが作ったタクティカルトレーニングブーツ。 タクティカルトレーニングブーツとは軍において実地トレーニングに使うためのもので、軍に要請されて作ったのをオリジナルモデルとし、別注では8インチのハイカットブーツだったものをタウンユース用として低めの6インチに変更し、ライニング(裏地)を排除して軽い履き心地にしてある。 公式によれば 「瞬発性、走破性、機動性を考慮し、軽量かつ通気性に充填を置いた設計」 とのことだ。ソールはDannerオリジナルのスニーカーソールで、グリップが効いている。当然ソール交換はできない。 アッパーはスエードに似た「ラフアウトレザー」で裏革を起毛させ毛並みは整えていないため、名前の通りややラフな革質である。部分的に摩耗に強いナイロンを配置し、通気性と柔らかさを確保している。 ミリタリーらしいなと思うのが、レースホールに「スピードレーサー」を採用している点。スピードレーサーはシューレースを解くにも縛るにも簡単になり、すぐに着脱が可能になることですぐに出発ができるディテール。 また、ブーツと違い、クッション性の高いインソールも付いている。 防水性はないものの、強く、軽く、ファッション性にも優れたこの別注は2017年春に初登場し、即完売した。2018年にグレータイプが再リリースされ、こちらも即完。 球数の少ない靴だけに、中古市場で見

CASIOのA-158WEA-9JFをNATOベルトでカスタムする

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チープカシオはブームで終わらない 昔からCASIOの腕時計が好き。 ちょうど小中学生頃にG-SHOCKのブームが来た。「イルカ・クジラモデル」なんかが流行ったり「ジェイソン」や「ガンダム」のような相性の付いたモデルも多くあった。友達が腕に付けているとそれに憧れた。ガンダムは確か友達から5000円位で譲ってもらった。 ホームセンターに行けば店端にある時計コーナーに寄って、CASIOのPRO TREKやG-SHOCKをガラスケース越しに眺めていたものだった。 まだまだファッションに疎いこともあって、かっこいいものを身につける行為といえば腕時計だったかもしれない。 誕生日プレゼントにG-SHOCKを買ってもらったこともあるし、恋人からのプレゼントにねだったこともある。もちろん自分でも買った。 大人になって、ちょっとしたプレゼントとして、いわゆるチープカシオを贈ることがある。それこそ、1000〜2000円くらいのものだがデザインがシンプルでかわいいアナログ時計や、いなたいけどそこが良いデジタル時計なんかが多く、更に異常なまでにタフで長持ちすることが評価され、数年前から流行って今に至る。 少しそのブームは落ち着いたが、時計そのものの良さや魅力は全く失われていない。というか一度失っているものなのであまり評価が下がらないかもしれない。 今、実はG-SHOCKのFROGMANがとても欲しいのだが、なんせ昔に比べ値段が高く設定され、5〜10万円もするので、足踏みをしていた。 そうしていると、Instagramの友達が名作中の名作「F-91W」をアップしていた。1000円以下で買えるしょうもない腕時計だが、有名になった「 20年雨ざらしだったが全く壊れること無く動き続けた事件 」やウサマ・ビンラディンが着用していたこと、時限爆弾にすら使われたことなど、いろんな曰くのある名作である。 なんだかそれに魅せられて、自分用にチプカシ持ってもいいかなと思ったのが、今回の 「A-158WEA-9JF」 。 タフさとチープさのアンバランス CASIOの時計は何もG-SHOCKでなくても十分タフだ。 もちろん車に踏まれたら一発アウトだし、身につけたまま泳ぐこともできないが、日常生活で雨に打たれたり、外して放り投げたりしても全然平気だし、なにより安いの

NIKE ACGから見るリバイバルブームの始まりと終わり

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ファッションの歴史は繰り返す 何年前からか、ファッションの世界でグローバルなリバイバルブームが起きた。 このブログでは何度か触れてきたことではあるが、モードやラグジュアリーなブランドとストリートが近接したことから徐々に規模を広げ、ハイブランドがスニーカーを作ったり、スポーツブランドと協業したりすることが当たり前のようになってきた頃からその傾向が出てきたように思う。 洋服が好きな人ならどこかのタイミングで気づくことだが、ファッションのブームは、基本的にローテーションを繰り返しながら進んでいく。 尖ったファッションの次は、素朴なファッション。シンプルなファッションの次は派手はファッション。丈が長かったら短かったものへ変化する、といった具合。 そしてこの数年は90年代ファッションの台頭が目覚ましく、80年代のものにまで手が伸びている。 ハイブランドがそういったものに着手するたけでなく、ファッション性も兼ねたスポーツブランドも同じ潮流にあって、先日NIKEが発表し、即完売したNIKE ACGは90年代の、特に日本のマーケットを象徴するようなコレクションだった。 目立つカラーとグラフィックがリバイバルにマッチ NIKE ACG(ALL CONDITION GEAR)はNIKEがトレッキングやアウトドアのシーンを想定したラインで90年代の日本ではBoonやCOOL TRANS、Smartなどファッション誌がこぞって取り上げたことも一役買って、マニアックなブームとなった。 見た目の派手さにも意味があり、自然の中でも目立つ蛍光カラーをベースとなるアースカラーに差し込んだカラーリングが最大の特徴である。 一旦はなりを潜めたACGだが、2015年頃にACRONYMのデザイナー、エロルソン・ヒューをデザイナーに招き、無駄がなくソリッドで機能的なACGとなって再誕、こちらも大人気となった(2018年で契約終了とのこと)。 おそらくオリジナルのACGを知るのは30代以降のおじさんが大半だろうが、その層はオリジナルの復活を期待していたことだろう。僕もその一人だった。 ただ、この復刻は極めて小規模で、NIKE.COMと海外のセレクトショップHAVEN、日本ではBEAMSの一部店舗が中心であり、ロットは極めて少なかったと思う。 が、リバイバルの一

NIKEiDでスニーカーを作った話

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NIKEのスニーカーは好きだけど、好きなことで失う情熱 NIKEが好きになって20年以上経っていると思う。 昔、野球部をしていた頃は、スポーツ用品はどちらかと言えばそっち専門のZETTとかSSKとか野球メーカーのものを選んでいた。ただ、部活用のバッグに関しては専門じゃない方を選んでいた。 多分一番古いNIKEの私物はダッフルバッグ。ブラウンのナイロンオックスで真ん中にスウッシュが刺繍してあったように記憶している。それに、兄のお下がりのパーカやTシャツも着ていた。 そこから始まって、普段はエアマックスやダンクやフットスケープを履いて登校していた。 普通はローファーなんかが学生っぽいんだろうけど、田舎の学校だったし、そういうものを選ぶのはスクールカースト上位の友達だ。僕は僕の好きなスニーカーで登校したかったし、革靴なんてガラじゃなかった。 今みたいなスニーカーブームとは違うけど、当時も大きなブームの真っ只中で、友達と雑誌の通販ページを見ながら思いを馳せていた。 どんなスニーカーも輝いて見えたし、「コラボ」や「別注」という概念が初めて出てきた頃で、その感じも楽しかった。 今はいろんなスニーカーを履くけど、7〜8割はNIKE。 やっぱりずっと近くにあったものだし、馴染みがあるというのが選んでしまう基準かもしれない。 最新のスニーカーも好きだし、ローテクなモデルも好き。ただ、最近は最新モデルとかコラボモノとかは愛情があろうがなかろうが目立つために入手したり転売目的の人が増えすぎてしまった。ひねくれ者としてはそういうモデルは好きだけど履きたくない、という気持ちになってしまう。 昔のミーハーと今のミーハーはちょっと質が違う。 昔はかっこいいスニーカーを履けば近所の人気者になれた。というかそれが精一杯だった。 今は世界中の人気者になれる。だからやる気が全然違うと思うし、情熱のかけ方が違う。今、自分にそこまでの情熱はない。 でもスニーカーが好きなことは変わっていない。 NIKEが好きでも、作ったことはない人は多いと思う 知らない人に説明すると、 NIKEiD とは nike.com やNIKE STOREでできるスニーカーのカスタマイズサービスのこと。 あらかじめ用意されたラインナップからモデルを選び、その中でも色はコレ、素

数に限界があるデッドストックのパーソナルエフェクトバッグ

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戦争は嫌いだけど戦闘機は好きな宮崎駿や、平和主義だけどミリタリーシャツを着るジョンレノンよろしく、「軍モノ」には惹きつける力がある。 軍モノというのはそもそも何かというところから言うと、「兵士たちが使っていた(いる)モノ」を指す。 戦争では大勢の兵士たちが極限状態の中で限られたものを使う必要があるため、生産では無駄を省き、必要最低限かつ十分な機能をもたせるのが鉄則である。 過去の戦争を考えれば、時代背景的にも決して潤っていたわけでもないし、「今あるもので作る」しかない。 だから、同じシャツでもボタンの素材が変わったり糸が変わったりする。そういうディテールでいつ頃のものかを判断できることも多い。 オリーブやベージュカラーが多いのは森の中で目立たないためだ。迷彩柄はその極地で、お国柄が出るので、今見ればデザインとしても楽しめる。 ポケットや形も理由が全てあり、裏を返せば「理由のないディテールはない」というのが軍モノの魅力であり、洋服としてのミニマリズムが集約されている、とも言える。 今ではかなり多くの軍モノが世に出ており、一般のファッションとしても浸透して長いが、最近気になったのが「パーソナルエフェクトバッグ」だった。 パーソナルエフェクト(エフェクツ)バッグとは 1960年頃から90年代まで使われ、米軍の負傷者用巾着という位置づけで、自分の名前や所属などを記載する大きなパッチがついているのが特徴。 第二次世界大戦時には「ペイシェントエフェクト(エフェクツ)バッグ」という分かりやすい名前だったそうだ。 自分の戦場が変わった時もこれがあればどんな人間かがある程度分かる。 おそらく薬や包帯などの治療道具を入れたり、許可証なんかも入れていただろうと推測できる。使われている生地はオリーブのバックサテンで、シャツやジャケットの生地をそのまま使いまわしたのだろう。 いつ頃から日本で売られてるのか分からないが、デッドストック(未使用放出品)のため、いくら大量に生産していようといつか枯渇するもの。それ以降はユーズドしか出回らない。 巾着としてかわいいけど、紐が短い ただの巾着としてみればそれでもいいけど、自分としてはこれを肩から下げたり、ショルダーバッグのようにして使いたい、という気持ちだった。 純正では薄めの平紐だった