よく聴いた曲 2017年

自分の生活にとって音楽は欠かせないもの。
歩いていても、車でも、バスも電車も仕事中も、一人の時間は音楽を聴く。高校生くらいの時からそれは変わっていない。
ロック、ポップス、ヒップホップ、ダンス、エレクトロニカ、アンビエント、チップチューン、ソウル、ファンク。
国は関係なく、歌ものかインストかも問わない。
良いなと思う曲の条件があって、「何かが引っかかる」か「気持ちいい」か。
発見とか新しさがあること、ずっと聴けること。メロディーの一部とかドラムの入り方とかなんでもいいから変であってほしかったり、iTunesの再生回数が50も100もカウントするものが望ましい。
2017年は好きなミュージシャンが久々にリリースすることが多かったのでアルバム単位で沢山聴けた。
自分の選ぶものを知ってもらう意味でも、今回その中の9枚を紹介する(順不同)。

Geotic - Abysma
Bathsという一人でサンプラーを使ってトラックを作って歌も歌うミュージシャンがいる。そのBathsがインストでシンプルな曲を作る際に名乗るのがGeotic。
最新アルバムでは全楽曲が4つ打ちで、今までのアンビエントな雰囲気とはまた少し違っている。
時々ボーカルが入るものの、大半はインスト。音に無駄がなく16小節のルーティンが基本となっている。
彼の作る音楽は日本的和音(和風という意味ではない)を感じる。「ちゃんとココで半音下げて、キックが始まって」といったような心象の盛り上げ方を心得ている。
シンプルなだけあり、どんなシーンでも聴けるし邪魔しないので何回でも聴ける。
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the band apart - Memories to Go
今となっては日本のロックバンドの曲を聴くことは少なくなったけど、学生の頃からずっと追い続けているのがバンアパ。
クリーンギターでカッティングを多用するフュージョンやAOR的アプローチが得意で、一時期バンアパのフォロワーバンドがやたらいた記憶があるし、ほとんど淘汰されたと思う。結局バンアパには敵わなかった。バンアパより新しいことをするバンドはいなかった。
このアルバムも結構聴いた。ココ数年アルバム単位で聴くと少し低迷していたかなとも感じていたけど、盛り返した感はある。
PVの面白さに定評がある。
![]() Memories to Go [ the band apart ] |

THE XX - I See You
2017年にはフジロックフェスティバルにグリーンステージでも出演し、日本としても改めて評価が高まった年だった。
特に今回のアルバムではバンドメンバーそれぞれが個人の活動をしてきて、再集結したような印象が楽曲、アルバムを通して感じられた。
今までメランコリックだなんだと言われてきたバンドだけど、トンネルを抜けたような明るさとポジティブさが現れた。
このアルバムより前にリリースされたジェイミーXXのアルバムも素晴らしかった。
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CORNELIUS - Mellow Waves
本当に待ちに待ったコーネリアスのアルバム。リミックスや楽曲提供が多かったのでオリジナルは10年振りとなる。
名盤POINTからの流れだった、リズムがかっちりとハマったリズミカルな音作りの片鱗はあるものの、非常に有機的で音楽らしいグルーブが詰まったアルバム。
いろんなミュージシャンがいるけど、コーネリアスの真似をしてくる人がいないのは、多分技術的に難しいのだろう。それくらい緻密に作られているのがよく分かる。
攻殻機動隊の音楽に参加したこともあって、そちらの曲を作り直したりもしている。未だに新しい音楽を提供してくれる稀有な存在。毎回ワクワクする。
![]() Mellow Waves [ CORNELIUS ] |

Tyler, The Creator - Flower Boy
タイラーの新譜。OFWGKTA(Odd Future Wolf Gang Kill Them All)の中でもフランク・オーシャンとタイラーだけはちょっと別格になってしまった気がするが、新世代らしいマイペースな活動も楽しい。
Odd Futureの人らが作る曲はなんとなく共通点があって、メロディアスだし美しさが際立っている。しかもポップで受け入れられるキャッチーさがある。
今回のアルバムの中ではBoredomと911が特に好き。
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藤原ヒロシ - SLUMBERS
世間的にはルイヴィトンとかナイキとかとやたら絡んでるけど、よく分からない人、というイメージが強いかもしれないし、一般層はそもそも知らないかもしれない人。いつまでたってもそういう人だ。多分30年くらいそういうイメージが持続している凄まじい人。
もともとDJだったが随分前に引退し、最近は歌も歌っている。藤原ヒロシの洋服やスニーカーは外れがちらほらあるが、藤原ヒロシの曲はハズレが少ない。
今回のアルバムは前回のmannersの雰囲気がありつつももう少し踊れる感じ。80'sのいい空気感が漂い気持ちいい。
ダブを作っていた頃の雰囲気はほとんど無いが、唯一WESTという曲にはそれがあり、それがまた凄まじい曲だ。
![]() slumbers<Deluxe Edition> [ 藤原ヒロシ ] |

GRAPEVINE - ROADSIDE PROPHET
売れていないし知名度がないけど何故か長年支持されているグレイプバイン。20年近くほぼ1〜2年に1度アルバムをリリースし、その度ライブをするという偉業をなしている。
今作もまた売れないなあという曲ばかりだけど、クオリティは素晴らしい。いい意味で隙間や余韻を(意図して)含んだ曲作り、ロードムービー的ソングライティング、WILCOの影響下がまだ残っているようなギターサウンド、オタクにとっては掘り下げ甲斐のあるアルバムだ。
特に物語的な情景を思い浮かばせることができるバンドはもうほとんど残っていないので、貴重である。タイトルの付け方や歌詞は神業である。
「これは水です」が好き。
![]() ROADSIDE PROPHET (20th Anniversary Limited Edition) [ GRAPEVINE ] |

PUNPEE - MODERN TIMES
2017年10月リリースにして最も聴いたアルバムとなった、ジャパニーズヒップホップの新しいクラシック。
歴史の浅い日本のヒップホップの中において、また新たに一時代を築いたといって過言ではない。おそらくラッパーの誰もが彼を否定できない。それくらいのクオリティだった。
楽曲だけじゃなく、アートワークや歌詞や、作り方など、全てにおいてサンプリングの手法を持ち込み、ありとあらゆる見解が楽しめる。
PrideとStray Bulletsが好き。Renaissanceはもちろん名曲。
![]() MODERN TIMES [ PUNPEE ] |

ここ2〜3年、80年台のディスコとかダンスとかを解釈したポップスが好きでいろんな曲を聴いてきたのだけど、2017年は中原めいこが自分の中でヒットした。
ダーティ・ペアやきまぐれオレンジ☆ロードの曲を担当していたり、「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」が有名だろう。
特にきまぐれオレンジ☆ロードは世代でもなんでもないが、その漫画の中の日本の雰囲気というか喫茶店の感じとか、夏の感じとかが凄く自分にグサッと刺さったこともあって、中原めいこはよく聴いた。
Dance in the memoriesやフライデイ・マジックは特によく聴いた。今聴いてもフレッシュだし、今の時代にはもうこういう歌手は出てこないのかもしれない。
2018年は角松敏生を聴こうと思う。
![]() ゴールデン☆ベスト 中原めいこ [ 中原めいこ ] |